なぜ、海外に行きたくなったのか? その3
2019年8月。ついにその日が来た。
私はいつものように新しい部署で仕事をしていた。
ある日、欠員が出て、本来なら3人で業務を回すのだが、2人で回すことになった。
そのため、最後の締め作業も全部私1人でやらなければならなかった。
そのおかげでいつもの時間通りに作業は終わったが、もうクタクタだった。
その日の夜。私が今まで持っていた不満が爆発した。
「会社辞める。」今まで何回も心で思っていた言葉が初めて口から出た。
そして、私は気づいてしまった。「私にはもう居場所がない」と。
入社1年目に配属された部署が嫌で異動願いを出し、1年後に部署替えでそれなりに充実していた。また違う部署に異動になっても半分半分のシフトで済むと思っていたら、万年人手不足の言い訳でずっとそこ。
今更、1年目の時の部署に戻してもらうこともできず、居場所もなくなった。他の系列のところに異動願いを出そうかと思ったが、希望が通るのにどれぐらい時間がかかるのかも分からなかった。
その週のお休みの日。行きつけの本屋を歩いていたら、1冊の本が目に飛び込んできた。その本は海外留学についての本だった。
その本を見た瞬間私は、「私がやりたかったことはこれだ!」神が降りてきたというのはこのことかと思った。
私はその本を急いで手にして店を出た。その時、目頭が熱くなり、視界がぼやけた。